オンガク

Polarisのライブはまるで宇宙船のよう。
ビートに乗って地上を離れ
ハーモニーにまかせて宙を漂う。
 
船はいろんな星々を周って
流星群や、ガスやチリや
時には隕石の間を縫って飛行する。
 
オオヤユウスケの声は僕たちをいろいろなところへ連れてゆき
鉄壁のリズム隊が完璧な操縦で僕たちを楽しませてくれる。
 
***
 
奇妙な植物の星、花でいっぱいの星
夜と昼のない星、月ばかりの星。
 
たくさんの星を旅するのだけれど
そこには三角の目をした宇宙人などいない。
Polarisがみせるのはただ広大な世界に広がる自然現象。
 
緑、空、山、川、土手、道、自転車。
僕らはふいに現実にひきもどされる。
 
**
 
ライブが終了する。
 
からからになった口のなかを舌で探ると
とっくにかみさしになったガム。
ジンジャーエールで流し込み僕は街へ出た。